寄付とボランティア
2010年の12月下旬から、2011年の1月まで、日本に心温まる運動が広がった。
いわゆる「タイガーマスク現象」である。発端は、児童養護施設に、「伊達直人」名義のランドセルが置かれたことであり、これを発端に、全国全ての都道府県に、児童養護施設などにランドセルやをはじめ、文房具やおもちゃなどが贈られた。
2月に入り、この現象はマスコミには報道されなくなったが、今でも施設や自治体に金品の寄付が続けられていると言う。
こういった現象は、実に日本人らしいと言う。個人的にもよいことだと思う。
とかく日本人は、名乗らず匿名で寄贈や寄付をすることは美徳とされている。今までに「誰々が寄付をした」と言う報道は、一部の有名人やスポーツ選手ではあるにはあったが、普通の一般市民ではなかった。仮にそういう人が出現しても、日本人の多くは、その人にあまりいい印象を持たないそうだ。
だからこそマンガの主人公の名をかたって、匿名で寄付をすることは理にかなっている。
ただでさえ経営が厳しい福祉の世界において、寄付は何よりの支えである。しかもランドセルは1個3〜4万円する高い商品だ。
そういう高価なものを複数個、児童養護施設に寄贈すると言うこと自体、名誉なことであり、普通の人では行動すら起きない。だからこそ発起した人はえらいと思うし、そういった行動をきっかけに、多くの日本人が感動、共鳴し、同じ様な行動を起こした人が各地に現れたことも事実だ。
こういった運動が広がることによって、施設の現状を知る事にもつながると思う。事実、タイガーマスク現象の報道とともに、各地の施設の現状についてのレポートが放送されたし、そこに働く人からの真の願いも国民に届いた。
一部の人の意見では、国の支援がなっていないため、運営費の中で寄付の割合が高くなっているのも事実だ。だから、国がもっと支援すればこういった運動は起こらなかったであろうと言う声もある。
けど、「国が支援するから、庶民は何もしなくていい」ということではない。やはり、社会的に地が低い人を支援すると言うことは何よりのボランティアでもあるとおもうからだ。
ボランティアと言えば、近年は被災地におけるボランティア運動が盛んになっている。これは非常にすばらしいことだ。
困っている方々の支えになると言うことも、人間として大切な要素であり、「自分さえよければ他人が困っていても気にしない」様な人は、世間から阻害されるのは当然である。
そうでなくても、ただでさえ人と人との結びつきが希薄になっている今だからこそ、ボランティアの精神は必要である。
阪神大震災をきっかけに広まったボランティアが、現在でも受け継がれていることは良い事であり、こういった心を忘れないで欲しい。