子供とトイレ

昔からそうだが、小学生、特に男子は学校で大便をしたくないと言われている。
つまり男子用トイレは大便器は個室になっていて、個室に入る事自体それをア
ピールするようなものだからである。そしてそれをきっかけにクラスでからかい
の対象になったりいじめに発展したりする。トイレのスペースと、小便器がある
というスタイルの上から仕方ないことかもしれない。
そのことは時折マスコミでも紹介はしているし、学校でも保健指導はしているが、
当の児童はまだまだ学校で大便をするのを我慢していると言う。確かに衛生上
は排泄の必要性はわかっていてもクラスの仲間から疎外されるのを恐れてい
るからだ。
恐らく学校のトイレ自体を改革(男子トイレも全部個室にする)しない限り、こうい
う現象はなくならないと思う。
少なくとも学校のトイレはいまだに汚いとか行きたくないと言うイメージが根強い
のは確かだ。学校自体古くなっているところもあるので、これをいい機会にイメー
ジアップや改装をする必要性があると思う。そしてソフト面でも、学校で大便をす
る事を恥ずかしく思わないと言う道徳教育をもっとすべきであると思う。

学校に限らず、公共の場所はいまだに和式便器が多い。家庭では、8割以上洋
式便器が普及しているが、公共の場所では衛生の面からも和式を採用している
事が高いと言う。
なので、生まれた時から洋式便器で生活している子供にとって、和式便器で用を
足すこと自体が苦手な事が多いと言われている。
それを反映してか、トイレットトレーニングの中期では「和式トイレの使い方」なる
指導がされているという。(出典:ベネッセ「こどもちゃれんじ」)
洋式便器で慣れている子供が、和式便器の使い方を知らずに、和式便器にしゃ
がんで用を足す子がいるらしい。時代の変化といえばそれまでだが。

時代の変化といえば、トイレ自体昭和の時代から比べると飛躍的に発展したとい
える。昭和30年代までは、どんな家庭でもトイレは臭くて汚い場所だった。ほとん
どの家庭が汲み取り式で、臭いのは当然であり、それゆえにトイレは家の隅にあ
ったり屋外にあったりするのが当然であった。特に大便所は子供にとって地獄の
ような場所でもあり、「夜になると、大便器の中から幽霊が出てくる」という話を本
当に信じてしまうくらいだった。
それが、昭和50年代から下水道の普及や生活の洋式化によって、急速にトイレの
水洗化が進み、「臭い・汚い・怖い」から一気に解消した。
そしてそれと同時に洋式便器、更には洗浄便座も普及し、日本は世界で最高レベ
ルのトイレが一般家庭に普通に設置されるようになったのである。
その現象は都心部はもちろんの事、山村離島でも進み、今では水洗トイレを使え
ない地域でも、簡易水洗便器が置かれたり、強制脱臭装置が組み込まれたりして、
臭くて汚いトイレを使っている所は急速に減っている。更に、祭りなどで使われる仮
設トイレも水洗式や簡易水洗式が増えている。
面白いことに、下水道がない山村では〔爺さん、婆さんへ あなたの家が汲み取りト
イレのままだと、いつまで経っても大切なお孫さんが遊びに来ませんよ!〕と言う宣
伝文句で簡易水洗便器を販売する業者の折り込みチラシが毎月入るくらいである。
それだけ子供にとっては汲み取り式トイレに出会う機会はまずなくなったと言える。
だからこそ、災害時になると子供達はパニックになると思う。ただでさえ災害時では
混乱するのに、一番大切なトイレが使えなくなる、あっても仮設の汲み取り式しかな
い、となると今の子供ではきっと困るであろう。そうなると汲み取り式のトイレの使い
方もいざと言う時に備えて知っておく必要があるのではないか。

人間の生活にとって大切なトイレ。水洗化によって昔と比べて遥かに進歩した。けど
その裏で活躍している下水道や浄化槽のことも私達は知っておくべきだと思う。